スポンサーリンク

2021年11月27日

“こころ”は、「平和ボケ」する環境の中で、細やかさ=他者への思いやり=共感する気持ちが、多数の人びとに広がっている。他者という対象も広がっている。LBGTQの取り組みが世界に広がっている。ここ30年40年の時間で広がっている。それまでは黒人差別や、女性差別といった差別に対しての取り組みは100年以上の取り組みだった。それが、この間世界での大きな戦争が起きていない「平和」(テロや湾岸戦争、クーデターがあった)の中で、インターネットという新しいコミュニケーションツールを得て、人権や平和への情報発信、受信と拡散で、ひとつの感情の世界への広がりが瞬時にできるようになった。

LBGTは、国によって違うが、その構成比は、民間の踏査では人口の3%から14%、日本では8%〜10%が通説となっている。30年前までは、個々人のセクシャリティは秘密事項であり、語ること話題にはほとんどならなかった。芸能界では、「おねえ」というキャラクターがテレビなどに出て来てその存在を示してきたが、なかなか芸能界以外では広がることは無かった。ようやくこの10年程で、海外での同性婚のニュースや政治家のカミングアウトなどで一般に広く認知されてきた。

その後の広がりは速かったと思う。虹の旗がテレビでよく見るようになった。(じつは、生協の旗も虹の旗だ。これはノアの箱舟の物語で、洪水が何日かたって雨が上がり空に虹がかかっているものを見て、希望の思いを抱くことができたという話から、平和で生きやすい未来に対しての希望を表すものとして生協の未来・公平で平和な社会を目指すシンボルとしての虹の旗だ。)

10%の少数者の思い(感情)を、他の多数の人間が共感し、共有して行こうという思い(感情)の広がりだと思う。他者を思うという“こころ”の働きは、少数の人から多数の人へ広がってきていると言える。平和と経済の発展が、少数者の思いを共感するという“ゆとり”が生まれていきているのだと思う。「平和ボケ」は、“こころ”が細やかになり広がっていくことにとって重要なものだと思う。

こういうと、「平和ボケ」と非難する人たちは、そうした感情こそが問題なのだと言ってくるような気なしてならない。男尊女卑もそうだし、性の役割理論もそうだし、男は男らしく質実剛健・力強く・リーダーシップがある、上記のような細やかな優しさは女々しい女の感情であって、男がそうなってはならないと言い出しかねない。社会の中で、様々な競争に挑み打ち勝って来たという自負が非常に強いのだろうと思う。逃走するというテストステロン(男性ホルモン)の影響を強く受けて、それが唯一自分を証明するという感覚なのだろうと思う。

確かに脳内ホルモンと同様に人間はホルモンの影響を受けて思考し行動し喜び・感動し、生き延びて来ているのだと思う。が、人間は前頭葉を発達させて、そうした感情をマネジメントする能力を身につけて来て、ここまで協力しあって、自然社会に対抗して人間社会を創り、発展させてきた。1万年かけて来たのだ、ここ3000年で、世界宗教も創り、それを克服して、民主主義というモノを創りだし、社会を大きく変革してきている。今後さらにどう発展させていくかということが新たな問いだと言える。

スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう

オススメ記事