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2021年9月24日

価値とは、労働者自身の再生産にかかる費用が基になっているとすれば、それはいったいいくらなのか?どう計算するのか? 経済学者の皆さんに頑張ってもらいたい。

別の見方をすれば、人類が生産をし続けて行くための子孫をどう育成していくのか、それにいくらかかるのかということでもある。

資本主義の現代は、何でもかんでもすべて商品として売り買いすることで成り立っている。

例えば水。昔は田舎では井戸を掘って水を確保した。もしくは山の湧水を引いてきた。井戸を掘るため人々は協力し、井戸水は共有した。お金はいらなかった。日本では水はただだった。それが、井戸はつぶされ、水道がひかれ、料金が発生した。

江戸時代の寺子屋という子供の学びも、教師に対しての現物提供(住まいの提供、食料の提供、などなど)で、ほとんど無料だった。共同体での共同作業は無償だった、酒と肴が提供された。もしそれが村の長が買い求めたものならば、購入費用がかかった。が、みんなが長の下に持ち寄ったものなら、お金は発生しない。財の直接消費と言える。

ただ、それは生産物の交流も狭いエリアだけで終わるため、貧弱なもので終わる。それで満足していたら、それはそれで、先のお話のようにのんびりと暮らしてける。が、人類としての科学の発展は非常に緩やかで、真理の追求も穏やかに進むレベルで落ち着く。それは、王が生まれるまでの1万年くらいは続いたのだろう。

共同社会で、人類は飛躍的に人口を増やし、種族間の密度が高まり、おそらく干ばつや災害などで食料が手に入らなくなった時に、生き延びるために収奪がはじまり、王が生まれた。その後は、王の後継をどう引き継ぐかに意識が移った。収奪のスタイルが経済のスタイルといわれ、現在は資本主義経済と言われている。

ここまで書いていて、テレビを見ていたら、よく似ているようなことを話しているが耳に入って来た。井出栄策(いでえいさく)さんという経済学者だ。コロナ後の日本社会をどうして行くか、という次の衆議院選挙に向けての経済社会政策についての発言だった。

井出氏は、2017年の総選挙で民進党の政策の立案者でもあった。その提案とは、消費税を8%から10%に上げて、2%の財源を全て生活保障に当てるというものだ。消費税は逆差別的な税制だが、そこで得た財源を全て社会保障に回すことで、その差別は解消され、全員が平等な納税者として、社会保障を施しみたいに感じるのではなく、当然の権利として求めるという意識も生まれる、という主張だ。

その社会保障の内容が、医療、保育、教育などの無償化だ。現代にマッチした共同体の維持という形だ。共同社会の共同作業が無償だったと同様、基本的な共同作業を無料化するというものだ。これを「ベーシックサービス」と言うらしい。非常に面白い。さっそく本を注文し、さっき読み終わった。「どうせ社会は変えられないなんてだれが言った? ベーシックサービスという革命」(小学館)という本だ。面白く勉強になる。確かに新しい社会が生まれると感じた!ぜひ読んでもらいたい。

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