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作った人たち

みのるん:作曲……この記事を書いた人、「バンド演奏やろうぜ」メンバー、作曲2年目

TAKE3:作曲、作詞……「バンド演奏やろうぜ」リーダー、作曲2年目

NaR:MV……「Astobe」メンバー

この曲ができたきっかけ

8月の中頃、Astobeのチーム「バンド演奏やろうぜ」でバンド練習があったとき、僕が学業が落ち着いたタイミングだったことや、作曲をする上で刺激が欲しかったことから、TAKE3曲を一緒に作らないかと誘いました。そして、その誘いをTAKE3は快く受けてくださったのがこの曲の始まりでした。

制作する上で、まず曲を作る上でテーマを決めようという話になり、アイデアとして出てきたのが「夏休みの終わり」がテーマで、「さみしさ」がイメージとしてあり、ここまで考えていたのがバンド練習中のことでした。

そして、バンド練習が終わった後にファミレス(間違い探しで傘の高さの違いに大苦戦した)でこの曲のタイトルにもなった「夕立」で立ち往生したことで、僕の中では「夕立」を軸にして曲を作ろうとなんとなく考えていました。

クレジット”作曲”の内訳

その後曲作りを始める訳ですが、僕もTAKE3も複数人での作曲は初めてだったので、制作当初は手探り状態でした。曲の雰囲気をどうしようとか、歌詞のストーリーはどうしようとか、キーワードはどうしようとか、作業の割り振りはどうしようとか。

曲を作るきっかけの部分として、TAKE3は部活の女の子のストーリーを考えていたのですが、僕が「夕立は去った、僕たちは立った」というフレーズをメロディ付きで考えていたのをTAKE3に伝えたところ、僕が曲の骨組み作って、TAKE3が要所で作曲をするという役割になりました。

詳しく言うと、クレジットでは作曲という一言でまとめられてはいますが、僕は歌メロの主要な部分、曲の構成、コード(リズムギター)、ドラムやベース、エレピやMIXを担当して、TAKE3には歌メロの展開部分、リフを含めたリードギター、間奏部分のシンセ、作詞や可不を担当していただきました。

そんな訳で、僕はディレクション的な役割をしていたのでその視点から「夕立」について書いていきます。

演出について

まず、この曲の作り始めであるサビは、1番と2番が不安感を感じながら、そしてラスサビで「夕立は去った、僕たちは立った」のキーワードのようにそれまでの不安感を振り切るような疾走感のある曲にしたいというイメージから、テンポは180くらい、ラスサビとそれ以外で違いを作るために、ラスサビでは入りの「大丈夫」の繰り返しの部分を入れたり、「夕立」では2番終わりの間奏で転調をしていて更に転調したり、ラスサビのラスト感を出すために「変えたなら」からをアウトロっぽく変えてみたり、ベースラインは1番2番と比べてラスサビではかなり動きをつけるなど変化を加えました。

Aメロについては1番では曇り空の暗い雰囲気を出すことを意識しつつ、2番では1番サビからの疾走感を受けて、エレピを速いフレーズにしたり、2拍目と4拍目にスネアドラムを入れました。歌詞が出来上がってから思えば「夕立」のテンポ感の速さは疾走感と言うよりかは焦燥感といったほうがいいかもしれません。

Bメロについては1番ではAメロの繰り返しのフレーズから雰囲気を変えてキメっぽくしました。2番では2番Aメロの焦燥感をそのまま受け継いでいます。ラスサビ前では、夕立前の静けさに加えて、変化の予兆を表現するために転調したBメロを入れました。

リフついては、TAKE3にサビから続く疾走感のあるギターリフ、それから間奏の前半部分でそのリフに繋げるためのシンセアレンジをしていただきました。間奏ではこの曲初めての転調が入っているためこのシンセによって転調、もっと言えばストーリーにおける変化の兆しを際立たせることができたと思います。

こんな感じで作曲に関しては僕がディレクションをさせていただいたのですが、作詞やMVに関してはTAKE3やNaRさんにおまかせをしていました。

歌詞やMVについて

まず、作詞に関して「夕立」は曲の雰囲気の共有のためにアレンジを完成させる前の作曲の途中段階で作詞していただきました。おまかせをした理由なのですが、2人で作曲をしていく中でTAKE3と話していて感性が似ている部分が多いと感じていたからです。実際に作詞するにあたって僕からお願いしたことといえば夕立をキーフレーズにしてもらうことぐらいでした。

そして出来上がった歌詞を見たときには、TAKE3にお願いして良かったと思える内容で、そこからの作業であるアレンジの詰めに更に力が入りました。ちなみに、こういった曲調で女の子が主人公の歌詞で曲を作ったことがなく新鮮で、アレンジとしてエレピの透明感のある音色を使ったのは「夕立」が初めてで最後まで苦労したパートです。

TAKE3コメント

歌詞を考える時点で、サビ頭想定の「夕立は去った 僕たちは立った」というフレーズと全体のメロディーと構成が決まっていました。

まず「夕立が去った 僕たちは立った」という歌詞をラスサビに置くなら、1,2番のサビ頭は<夕立が降った>にしたいと思い、そこから歌詞を組み立てました。曲を聴けばわかる通り、この曲は(スケッチ段階から)疾走感のある曲。テーマである夕立も激しいイメージ。そこに寂しさの要素を入れるとどうしても焦燥感が際立つ。なので、ABメロで寂しさ、サビで「これじゃダメだ、何とかしなきゃ...!」という焦燥感、ラスサビでそれが解決する展望が見える、という構成にしました。

こういったことから、夕立が晴れる=良いことのように映ったので、「成功(青空)にたどり着きたいが突然の不安や困難(夕立)でうまく進めない。でも何とかしなきゃ」という内容で歌詞を考えました。

ラスサビ頭の繰り返しのメロディ(<大丈夫>のとこ)がありますが、最初想定の歌詞だと「夕立が 夕立が去った」という形になって、ここはもっと解決感を出したくて<大丈夫 大丈夫>と繰り返す歌詞になりました。その結果、「僕たちは立った」という歌詞は失くなるわ、寂しさは中心にないわで、当初想定してた形ではないものがあがってきて、みのるんは相当びびったと思います。すまんみのるん。でも綺麗にまとまったと思うから許して...。次回は精進します。

ちなみに個人的なチャレンジとして、「どれだけ具体的な場面を書かないか、どれだけ抽象的にできるか」を意識していました。いつもストーリー仕立てになってしまうので。聴いた人が歌詞に自分を重ねて聴けるようにと思ってそうしました。その結果、はじめのテーマ「夏休みの終わり」もあまり良く見えなくなってますね...。

次にMVに関しては、作詞をしていただいたTAKE3の方がストーリーの解像度が高いだろうということで、イメージに合うイラストの選定や、Astobe内へのMV制作の依頼なども作詞に続いてTAKE3におまかせしました。

おまかせから1ヶ月ほど経ったクリスマスの日にTAKE3からNaRさんが制作したMVが出来上がっているとの連絡を受けてMVを初めて見ました。当初はイラストを背景に歌詞を載せたMVとだけ聞いていたので、初めて見た時にはエフェクトが結構使われていてかっこいいMVに仕上げていただいたのが驚きました。特にBメロで輪っかが出来上がり、サビの「夕立が降った」で波紋になるという演出が印象的でお気に入りです。

TAKE3コメント

MVを作るなら、せっかくならAsTobeメンバーでMV作成やってみたいと思っていた人にやってもらおうと思っていました。サークルの活動趣旨にも合うし。そういうわけで、作成するMVは「イラスト1枚絵に歌詞を表示するだけの簡単なもの」ということだけ決めて呼びかけたところNaRさんが参加してくれました。

MV作成で自分が噛んだところはイラストの選定だけであとはNaRさんにお任せしました。さすがですね。

最後に

実は、僕にとっては「夕立」がオリジナル曲の初公開で、しかも、2人で曲を作るという挑戦も初めてだったので期待も不安もあったのですが、なんとか「夕立」の雲の向こう側が見えた貴重な経験でした。

突然のお誘いに乗ってくださったTAKE3さん、素敵なMVを制作してくださったNaRさん本当にありがとうございました。

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