「みやじいのひとりごと」はAsTobe最年長(67歳!)メンバーのみやじいが、日々考えたことをつらつらと書き綴るエッセイです。
第3回のテーマは、「自分は何なんだ」
アイデンティティの問題は、現代に生きる人ならば大なり小なり誰もが抱えているものだと思います。
みやじいの考えていることが、もしかしたら皆さんの思索のヒントになるかもしれません。
それでは、本文に入ります。
みやじいのひとりごと3「自分は何なんだ」
2021年7月24日
私たち人間は、生き方を知りたいと思う(そう思う器官=脳を持ってしまった)存在である。脳が機能し続けるかぎり、この問いは続く。(実感として)
三島由紀夫や芥川龍之介じゃないけど、自分は人間として生まれて来て良かったのか?と思うこと。おそらく人間だけがこんな問いかけをしているので、イヌやネコやカラスやセミは、こんな問いかけをすることなく必死に日々を生きているのだと思う。思うしかない。
この自分以外の他者を思う、その“こころ”を思いはせる、想像する、この脳力こそが、現代人の生物としての、物質運動として最高に複雑なレベルに発達、進化したものだ。
発達心理学的に言えば、生まれた時に笑顔と喜びの感情に包まれて生活することで、自分は受け入れられたと思い、生きるに値する存在だと認識します。エリクソンの言う、基本的信頼感です。母親や家族から喜びをもって誕生を祝ってくれている。自分の世話をしっかりとやってくれていると感じることで、母親への信頼と同時に、自分自身の存在(生人間として生まれてきたこと)を肯定するという、自己概念(自分が自分を理解認識している内容のすべて)は生まれる一番最初のステップだ。この時「希望」が得られると言っている。すごいね、幼児の時に人生への希望を持つのだ。というより、希望を持たないと生きて行けないようなややこしい面倒くさい存在なんだろう。
その後は、エリクソンは、自律性(おそらくトイレ訓練、食事時間など、生活のリズムなどだろう)で、自分の欲望や衝動をマネジメントする基礎力、意志力を体得する。その次がいたずらをやりはじめる。やりたいこと面白そうなことを自分でやってみる。目的と自発性が磨かれる。この時もまわりから承認されてそうした力を身につけて行く。学童になると勉強だ。これは社会とかかわっていくための知識と行動の統制だ。勤勉性と自分は理解し出来るという自信を持ち、社会と積極的に関わっていく。
次がアイデンティティという自分が何者だということの理解だ。これは、性ホルモンが大きく影響してくる。自分の経験からしても、訳の分からない欲望、今まで感じたことのない衝動感と押さえつけられないエネルギーが奥底から湧き上がってくる。学童期に学んだことの知識では理解できないマネジメントできないとんでもないエネルギーが湧き出てくる。いったい自分はどうしたんだという焦り。中二病の要因だと思う。自分自身が何者なのか訳が分からない。自分の腹を破ってエイリアンが孵化してくるような思考が生まれて来た。しかもそれはとんでもない悪者だ汚いものだと判断して、自己否定的な考えも生まれてくる。(学校教育でも性教育は非常に重要だと思う。そうした汚いものが普通のものだと理解させるような教育が必要だと思う。)マスターベーションを覚え、欲望を抑える方法を身につけて、やっと少し落ち着いて思考することができるようになったが、悪いこと汚いこと恥ずかしいことという感情だけが残り続けた。自分は何なんだという問いが複雑化していく感じ。答えが遠く感じた。