みやじいのひとりごと19「こころの妄想Ⅳ」
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「みやじいのひとりごと」はAsTobe最年長(67歳!)メンバーのみやじいが、日々考えたことをつらつらと書き綴るエッセイです。

第19回のテーマは、「未来のこころ」。

それでは、本文に入ります。


2021年12月07日

“こころ”を子供たちに教えるためには、大人が子供と共に学び成長する必要があると書いた。

今先進国といわれている国では、100年人生、学び続ける人生、学び直し、などとしきりに学ぶことが強調されている。

悪いことではないと思うが、「その理由はなんだろう」と思ってしまう。

キャリアコンサルティングの世界でも「プロティアンキャリア」なんていう理論や言葉が浸透してきている。変幻自在なキャリを積もうというものらしい。時代の変化=社会の変化=会社の儲け方の変化に積極的に(この積極的にという関わり方が重要で、この理論の基本となっている)関わって自らのキャリアを築いて行こう、というものだ。

つまり、ちょっと前までの終身雇用はあり得ないし、何かの資格をとっていい会社に就職しようとか、資格を生かした仕事に就こうということでは今の変化についていけない。もっと自分から積極的に勉強し資格も取って、人脈を広げて視野と繋がりを広くし、積極的に自分の成長にお金と時間をかける、つまり自己成長に投資することで、社会の変化に対応するのではなく変化を読み先取りするような生き方をして行こう、というものだ。

こう書いていて気づいた。これって、ずいぶん昔の自分が学生だった頃にも言われていたような気がすると感じた。なんか危機感をあおり焦らせ、そんな動きも努力もしていない自分はこれからどうしたら良いのだろうかと頭を抱え込ませ、就職に失敗させ、妥協させ、低賃金で働かざるを得ないと思い込んでしまわせる考え方だと思えて来た。これって、会社は低賃金で働かせ安定させて、本の著者だけが儲かる仕組みでは?・・・ちょっと穿った見方かな?(笑)・・・脱線した。

とにかく人生が60年ではなく、80年でもなく100年という長さになったのだ。自分の体験からしても、日本ではなかなか死ねない。癌でも、脳内出血でも、心臓病でも、簡単には医者や日本の医療システムは個人を死なせない。日本では100歳まで生きていけてしまう時代になっている。

そして、人生100年のキャリア理論は、60過ぎても働く(働け)、80過ぎても働く(働け)、働かせるのか、自分から働きたいと思わせるのか分からないけど、そんな社会をイメージしているように感じる。確かに、働いていた方が「やりがい」は見つけやすかった。・・・

この事実を受け入れて、大人たちは、どう生きて行くのかという“こころ”をイメージしなければならない。そして、それを子供たちに引き継がせなければならない。どう生きて行くのが良いのか=幸せなのか(「良いこと」とは「幸せになる」ことで、「幸せになる」ことが「生きる意味」という風に考えてしまっている。これが概念、パラダイムというものらしい。)を、理解することがまず“こころ”を創ることだと思うし、その思いを伝えていくことが育成だと思う。

難しいのは、その「思い」を絶対正しいものだとして、子供達に押し付けてしまうことだ。それは、戦争の原因となることが多かった。「思い」と「思い」の正しさの争い。「神」と「神」の争い。覇権。

まだまだ、“こころ”を考えて行く必要があると思ってしまった。

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