2021年11月06日
話をもどそう。どうやって人は変わることができるかということだ。大人が変わることは難しいが可能性はゼロではない。この前NHKの番組(ヒューマニエンス)で脳の働きの柔軟性についてやっていた。脳は今持っている機能を自由に拡大していく柔軟性を持っているという。例えば架空のしっぽをモニターに映像として移し、AIでその像と脳と結合させておくと、意識してその映像のしっぽを動かすように訓練すれば、動かすようになるという実験をしていた。3日で出来るようになるみたいだ。また。視力を失った人が蝙蝠のように自分が発した口の音の反響を聞き取ることで、物体や風景をイメージすることができるようになる。驚くことに目の見えない人が自転車に乗っている映像が流れていた。
脳は意識することで新しい感覚判断や運動機能を獲得する。失ったものを補うネットワークが形成されたり、もともと持っていないしっぽを意識して動かすことも出来るようになる。こうしたことは、価値観や美の意識などといった考え方も変えることができることを言っており、当然行動スタイルも変えることができることを言っている。脳が持つ可能性は想像以上だ。
昔こんな風に考えたことがあった。自分の性格が17年かかって出来て来たのだから、これから17年かけたらゼロになり、さらに17年かけたら自分が望む性格を持つ人間になれるのではないか。
結果は、なりたい自分像があまり明確ではなかったためか、あまり他者に自慢できる人間になっているとは言えないが、昔の自分からは想像できない性格の持ち主になったと思う。イライラしなくなったし、攻撃的でもなくなった
(これは年を取って、男性ホルモンの分泌量が減ったことも影響していると思う、『70にして心の欲するところに従えども矩(のり)をこえず:論語』とは、ホルモンバランスの変化によるものだということがこの歳になって分かった(笑)、そして少しの自信も持てている、人生を明るく見ることができている、人生は生きるに値すると言えるまで変化してきた。昔は20歳になったら死のうと思っていた。大きな変化だ。
何がポイントか。変わりたいと思い続けること。諦めないこと。そうだ、今思い出したことばがある。ゴキブリ駆除の薬剤(ホウ酸団子:ゴキブリ団子)を開発した松岡さんという株式会社「タニサケ」の創始者のトイレ掃除研修会に参加した時に言われたことばだ。
「薄紙を一枚一枚重ねて行くように成長していきましょう。」
薄紙は一枚重ねただけでは全く高くなったとは思えない。だが、10枚50枚100枚と重ねて行くとわずかだが高さが出てくる。それでも重ねた効果は見えない。が、1000枚、1万枚重ねてくると大きな変化が誰にも見えるようになる。という30年ほど前の講和だ。
人は簡単には変われないが、変わることはできる。諦めることなく変わる努力を続けることで大きく変われることができる。もう一つ大切なことはゴールのイメージを明確に持つことだ。明確でないと、そこそこにしか変われない(笑)