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2021年7月25日

「自分は何なんだ?」の答えが、自己概念・セルフイメージ・アイデンティティーと色々な言葉で表現されているもの。

そう、青春の時期は、それまで親や親せきや地域の人びとや学校から教えられ学んできた「人とはこういうモノだ」という概念ではくくり切れない衝動が肉体の奥から、脳全体を覆ってしまいこれが正しいと思っていた思考や行動がとれなくなる時期だ。その衝動が強くて受け入れることができず、自分が分からなくなり、自分を肯定できなくなる。全くどうしていいかわからない時期だ。

肉体的成長の中に、その成長段階に応じて何を心理的に獲得すべきかということも、発達課題としてDNAにプログラムされているのだろうか。それはおそらく前頭葉前野の成長というものなのだろう。ここは、刺激を理解判断し情動をコントルールし、意思を生み出して全体をマネジメントして行動に移していく機能を持っている。20歳頃に発達が終わると言われている。そう、思春期にはまだその機能は不完全な発達段階なのだ。なのに、性ホルモンはいくつもの臓器からどんどん排出されてくる。DNAが時限爆弾のスイッチを入れる。おそらく、一万年前の人類ではそれくらいの時期でスイッチが入るのが妥当だったのだろう。

30歳前後が寿命みたいだったから。子孫を生み出すためには12歳前後で生殖能力が必要となったのだろう。また、人類が狩猟採集生活だったから、生産物(石器や槍、毛皮の衣、くらいかな、あ、火もあった)も少なく、人間集団も少人数(最大で70人~150人まで)だったから、人間関係も複雑ではなく、言語数も会話も単純なコミュニケーションで完了していたから、12歳で子供を産み育てることはできただろうし、そうしないと世代は繋がって来なかった。

人類は、農業を作り出したことで、定住し集団は大きくなった。生産物も多様になり、階層も出来た。神も創った。道徳ができ、法律が出来、貨幣が出来た。

子供は学ばなければならないことが膨大になった。なので前頭葉の発達が必要となった。脳の発達、シナプスのネットワークの数の増大、そういう肉体としての発達のためには時間が必要だ。12年間では完成できない。それは15歳になり、18歳になり、20歳になった。今は、肉体的成長が終わった後も、学び続けなければ成人になれないまで学ぶべきことが増えてしまった。

さらに現在はAIを創って、その獲得すべき学び考えること自体、自ら考え判断することを、個々の肉体の外に持ち出そうとしている。学ぶこと・考えること・判断することを、自分ではないモノに託する時、新たに人間とは何かの問いが立てられそうな気がする。

青春期の次の時限爆弾は、生殖機能を持ち、それをマネジメントし始める時期としての課題だ。エリクソンはそれを「愛」と言っている。孤立するのか異性と親密に生きるのかという問いだ。ここに人は独りでは生きて行けないという感情が生まれる。

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