2021年11月05日
今日から新しい本を読み始めた。オランダ生まれのルトガー・ブレグマンという人が描いた「希望の歴史」という本だ。「サピエンス全史」を書いたユヴァル・ノア・ハラリ氏が推薦していて、今ベストセラーになっているらしい。
まだ読み始めたばかりなのだが、内容がステキだ。この本自体が「希望」を与えてくれる。それは、人類は今までその本性は獣と同じで、他者を犠牲にしても構わない利己主義で力が全てで弱者を殺してきた存在だという性悪説で設計されている存在だ。だから、こうした罪を贖うために神を信仰しその神の名において殺し合いをしてきた。というような考え方は実はウソであったと言っているのだ。人は、普通の庶民は助け合い協力し協働して暮らしてきており、平和を好み実践してきたのだ。だからこれまで生きのび反映してきているのだ。という内容のようだ。
やはりそうだったのか!と思ってしまった。
1万年前に農業や牧畜を始め富(余剰生産物=財)を生み出した人間社会に、「神」を作り崇め富の分配権を独り占めした者達が、自分たちの心情(この富を独占したい・奪われたくない・ひょっとするとあいつが奪うかもしれない)に合わせて、神に人格を与え、その力でその地位を守り続けて来たのだ。神の言葉で人間とは悪の塊なのだ、信じあってはならない必ず裏切られる。ただこの神だけを信じろ。神の言葉は我々が伝える。ありがたく思え。我々は神の代理、いや我々は神と繋がっている神聖な存在なのだ、と。そしてあろうことか、学問という学問も人間を邪悪な存在だと証言させて来た。「利己的な遺伝子」損得だけを考えて行動する「経済的人間」などなど。
そうした社会に広がった誤った考えを2000年から2500年前の数人のカリスマが正そうとした。それが現在につながる宗教の創始者であるブッダやキリストだった。ブッダは男女平等を唱え、身分的に虐げられている者の視点で救いをといた。キリストも同様に愛を唱えた。それは人々にとって大きな希望となった、、、
それが、300年程たって、人びとに広がり力を持つと、この教えを広げる者が権力を握ってしまった。マルクスもそうした宗教を否定し、哲学と経済学で平等な社会をと唱え、その運動は広がった。死後40年程でその運動は国家を作った。が、すぐに権力闘争を行い、その思想は歪められ貧困や平等は解決されない状態になった。
今、またこうして、普通に広がっている性悪説の思想を否定し、新たに人々に希望を与える思想が生まれた。まさに希望だ。
この本は、多くの人に読んで欲しい。特に、これから結婚し子供を意味育てる若者には読んで欲しい。「自然の弁証法」「サピエンス全史」と、この「希望の歴史」は新しい哲学となる。哲学とは自分は何者かという問いに対する回答を探る道筋だ。生き方を変えるヒントが生まれる。(新しい本に出合って、ちょっと興奮して、脱線してしまった。)