2021年10月14日
人間の進歩は、教育による。頭脳を通しての進化は、教育、つまりどんな情報をインプットしていくかによる。
教育のポイントは、ポジティブな評価を何に与えるかだ。それは間違っているとどれだけ言ったとしても、子供達は正しさにたどり着けない。今やっていることが間違っているということが分かるだけだ。出来ないのかと叱ったら、やる気をなくすか、自己否定をするか、依存性を身につけるか、叱った人を恨むことになる。決して正解は導かない。
子供は、大人(人間)になることを諦める。
確かに、昔エジソンという発明王は「失敗は成功の母であって、ひとつの失敗はこの方法ではうまくいかないということが分かったということだ」とポジティブに失敗を捉えた人もいた。それは大人になってからの言葉で、大人になる前には、子供の時に母親から多大に肯定され続けられて育ったという貴重な経験があったからだ。
好奇心旺盛だったエジソンは、何に対してもなぜ?どうして?と質問し続けたため、学校から、この子は理解が遅い、授業が出来ないという理由で追い出された。そのエジソンを母親が全肯定して、好きなように学ばせ、疑問にチャレンジさせ、失敗を容認し、承認し続けたという。何をしても承認され続けて育つと、自己肯定と自己効力感のシナプスネットワークが出来上がってしかも太くなって大人になる。当然、失敗を肯定的に捉える考え方が自然に出来るようになる。これが天才と言われる人間の誕生要因だ。
未来を考える時は、教育をどうするかが大切だ。どういう教育をするかは、教育を行う大人がどういう未来を望むかがベースになる。それは、今現在の人間社会をどう認識しているかにかかっている。人間はどうしようもないもので、正義なんか存在しない、正しいことを実行せよというのは理想であって、現実的ではない、幸せは自分の力で勝ち取るもので、勝ち取るためにひたすら努力するしかない、と考えている大人たちの社会と、人間は未熟さはあるが、未熟だからこそ助け合い成長していくもので、いつか誰もが等しく幸せを感じられる社会を作ることができると考える大人たちの社会では、人間はどう生きるべきかという考え方価値観も異なり、教育の仕方・教育の内容は異なる。
教育は未来を作るものだ、自己概念を未来に向けてどうより良きものにしていきたいかという望みがベースになる。1960年から70年にかけて、日本の平和、世界の平和、大学教育の在り方などについて若者が活動を行い、大学紛争という時代を作った。それは力で押さえつけられた。そして、その時の大人は、教育の在り方を変えた。政治的なことを教えないようにした。政治的な考えを持つ教師や教職員組合を、右翼軍国主義的な団体を使って攻撃した。憲法や政治的なことについて学ばせようという教師を排除し、授業の時間は削減された。結果、政治って難しい。何か遠い。政治はよくわからない。という若者が溢れるようになった。今の日本の投票率の低さと政治への無関心さは、昔の大人が考えた教育の成果だ。
「みやじいのひとりごと」は今後も不定期に掲載予定です。
どうぞお楽しみに!