2021年9月29日
人類の肉体的な進化は、類人猿からの枝分かれ以降、他の生物と同様に何世代もかけて、数万年という時間をかけて行われてきた。それが、現代人(ホモサピエンス)になってからの進化は、頭脳が肉体的に発達したことによって、脳内の知識とその伝達によって新しい進化が行われてきている。
火のマネジメントによって、温暖さと猛獣の攻撃から守られるという安全さを得ることができ、食べ物を加熱することによって消化吸収がしやすくなり、食べ物の種類も広がった。
人類の最大の強みは雑食性にあるといえる。地球に存在するほとんど全てのものが食糧となっている。何でも食べられる。昆虫のほとんどは食べ物が限定されている。哺乳類は草食か肉食に大きくわかれ、いくつかの種類(熊や鶏など)が雑食性を持っている。
食性が変わるのは進化でもある、人類はもともと弱い哺乳類であったので、生き延びて行くために雑食性をとった。物を作る脳力を持ったので、狩りをする道具や、魚を捕る道具を作り、衣服を作ることで寒さ対策をとり、火で暖をとり、生存環境を広げ、世界のいたるところ生存できるようになった。住む場所が変化することも進化である。
そうした進化が出来たのは、知識情報の蓄積と伝達だと上記した。これは「学び」と「教育」という行為で実現してきた。学びは真似るから始まる。子供は母親の行動や言葉遣いをそのまま真似ることから学び始める。少し大きくなって、子供集団を作り始めると、これも母たちの集団行動を真似て行く。“ままごと”だ。社会コミュニティーを真似て“ごっこ”遊びを行い、集団内での行動の仕方、言葉の使い方を学んでいく。
ただ、このままでは、小さな集団を維持し続けるだけで、発展=進化は見られない。ここに、食糧の獲得量が必要以上に多くなると、余剰が生まれ、人びとに自由な時間が生まれる。その時間を活用して、道具の作成や改良、その技術の伝授が行われる。これが教育の原点となる。生産力の向上が教育の原点となる。狩猟の場となると、確実に技術とコミュニケーションの伝授が行われる。また、子供の出産と新生児の養育も母親一人では難しくなり、集団となりここでも学び合いと技術の伝授が行われる。
そうすることで、人類は何万年もかけることなく、進歩し進化してきた。社会構造や食文化、生活環境の違いも大きく変われば人類学者も普通は進化とは言わないが、もしその場(過去)に現代人が紛れ込んだとしたら、確実には生き延びられないのではと考えると
種が異なったのではと考えても良いのではと考える。それは種としての進化であるといえる。
学びと教育によって、社会構造(生存環境と言える)の変化と、食性の変化が、数千年単位で起こり、「進化」してきたと考える。なぜ、ここまで教育にこだわるのかというとSDGsを実行するには教育こそ必要であり、その教育を通して、大きく社会構造は変化し、新たな世界に人類は「進化」して行くと考えるからである。