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2021年9月9日

人間の社会史をどの段階からどう見るか。1万3000年前まで続いた温暖な気候だったのが1万2000年前に約1300年間小さな氷河期になった。(現代は氷河期と氷河期の間の間氷期だと言われている。)植物の生態分布が大きく変化し、それに伴って大型動物も絶滅していった。人間は穏やかに狩猟と採集の生活をしていたが、それができなくなった。やむを得ず、食物を確保するために、牧畜と農耕を始めた。人間が生き延びるために対峙するのは、自然だった。

1300年程すると、気候が温暖になった。植物がどんどん育った。それまで苦労してきた農耕が大きな成果を生み出した。人口も増えた。一方で、牧畜の影響で動物が持っていた感染病が人間社会に入って来た。乳幼児の死亡が増加した、と言われている。豊富な食物を前に悲しみと不安が生まれた。時々50年くらいのサイクルで小さな気候変動があった。

生活の安定がそのサイクルで壊れた。50年と言えば、世代的には3代くらいだろうか。昔語りがつながる年数だ。おじいちゃんおばあちゃんが昔はこうだったと記憶と知恵を子供や孫たちに伝えることができる。知恵は蓄積され、持ち寄られ、より大きな視点と「正しい」判断が出来るようになった。いわゆる「歴史」が語られ、創られるようになったのだ。それは自然に関することがほとんどだったろうと思う。自然が人間に被害を与える猛威の理由を説明した。それが、自然に対する宗教になった。樹々に霊がやどり、オオカミや熊などの動物の力に憧れ、自分たちの種族の“血”に取り入れられ、やがて自分達を守る「神」となった。

生産力を増加するために、人間は物を作った。石器から始まり、火を使うことで、土器を創り出し磁器に発展させ、レンガを造り木を切って住居を創った。金属を発見し岩石から溶出し、金や銅や鉄を取り出し加工した。すでに骨から縫い針を作り毛皮や衣服を創ってまとっている。生活の質は向上した。

さらに安定的に発展させるために、神々の力に頼った。神官が生まれ、祭りが生まれた。神をたたえると同時に”今”生きていることを喜び、さらに祭りの高揚の中で子孫をつくった。

人口が増えると一人ひとりの多様性も増える。安定させさらに生産を高めていくために、集団をマネジメントする必要性が生まれる。神に権力(正しさの判断と決定、執行する正しさ)を与えた。老人は過去の語り部として大切された。

生きるために、自然の猛威に立ち向かうために、「神」を創りあがめ、過去の出来事が語り繋がれてきた。人口は増加していった。世界の地域に広がっていた人間は、それぞれの地域でそれぞれの神をあがめながら生活していたが、人口の増加にともない、近くの人びとと出会い、交流しお互いの持ち物と必要とされるものが交換された。商い、経済も生まれた。それらは、すべて自分たちがより良く生きて行くために創られてきた。

以上


「みやじいのひとりごと」は今後も不定期に掲載予定です。

次回からは社会史についてみやじいなりの視点で思考を巡らせていきます。

どうぞお楽しみに!

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