スポンサーリンク

2021年9月25日

ベーシックインカムは、以前も少し書いた。今までの閑話休題の話の底流に流れている考え方だ。生きて行くための食料や衣料や住居が賄えるような保障として、誰にでも「お金」が支給されるというものだ。

こうした考え方に対して、特に日本では怠惰な人間、働かない人間を生み出す、と言われて否定されてきた。

だが、世界での実験では、むしろ生活の荒廃が無くなり、精神的にも健全になり、勤勉さが増したと言われている。怠惰な人間になるという考え方は、生きるための恐怖感が勤勉のもとになっているという考え方だと言える。そういう脅迫感、締め付け、強迫的労働を強いられてきた人たちの考え方だと思う。

これは、生産物が少なく余剰価値が少ない時の考え方だと思う。少ない財を取り合う・奪い合うという状況があったのではと思う。生産物が少ないから少しでも多くの生産をできた人が裕福になるという状況だったのだと思う。

”今”現代は違う。生産物は余っているのだ。何も生産しなくて数値としての「財」を移動し合うだけで「儲けている」人たちが増加している時代だ。

ベーシックインカムとは、その「財」を、すべての人々で分け合うということなのだ。

ただ、この「財」を、お金として配分するベーシックインカムだけで全ての人間が普通の生活ができるかというと、井出氏の計算では不可能らしい。さらに、なんにでも使用することができる「お金」は、心情的に妬みや嫉みを生み出しやすく、共同社会を維持していくことが難しいとも言っている。障碍者や疾患を持っている人などは、もともと生活を維持していくために必要な費用は大きい。配分されたお金だけでは、生活を維持していくことさえ難しい。そういった面から見ても、差別は無くならず、むしろ拡大するかもしれない。

お金を配布するというのではなく、必要なサービス、例えば医療、介護、住居などを必要な人が無料や非常に低額で受けられるようになれば、差別は生まれず、みな自分の好きなことを安心して取り組める。それが、ベーシックサービスという考え方で、費用はそれほどかからない。と井出氏は計算している。

みやじいはこの本を読むまでは、ベーシックインカムで最低保障が達成できると思っていたが、経済学者の井出氏がそうではないと言っていて、別の仕組み(ベーシックサービス)で最低保障が達成でき、より自由な働き方と暮らし方ができると、考え方を変えた。(けっこうあっさりと。つまり単純!(笑))

未来の人類の社会主義国のイメージが広がった。マルクスも納得するのではないだろうか。・・・知らんけど(笑)

生産力が高まり、生産物が溢れるようになり、ネットワークも地球規模で瞬時に情報交換ができ、PCを使って科学的にマネジメントができる“今”現在から、これからの未来社会を妄想すれば、もっと明るく楽しい未来社会をイメージできると思う。

スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう

オススメ記事